さぁ頑張るぞw

ずっと…待っていたわ…この瞬間を…
意味も無く傷つけられ…
失われてゆく生命達…
かき消されてゆく言葉…
埋もれてゆく想い…
バラバラにほどけれゆく細胞の海…
溶けてゆく意識の残響…
愛するゆえの憎しみ…
憎むがゆえの愛しさ…
何のために生まれ、何のために死ぬのか?
進化…傷つけ合い、殺し合い、弱肉強食の果てに
何が得られるというのか?
星という名の一個の卵と、
それに群がる無数の生命という種子…
その無数の種子の中の一つと、星が結ばれた時、
新たな宇宙が生まれる。
そこに至るまでの何十億という歳月と
無数の生まれ、死んでいった生命…
それは全て、その一瞬のためだけにあった。
宇宙がさらに次の次元に進化するために…
それではあらゆる生命は星と結ばれるただ一個の生命体を
生み出すために生まれ、死んでゆく捨石にすぎないというのか?
いや、それは違う。
全ての生命にチャンスはある。
遺伝、環境といった自分に与えられた、
限られた条件のもとでベストをつくし、
自らの生をまっとうしようとする生命は、
新たな宇宙に連なる黄金の鎖の一つ。
どれか一つ欠けても未来はない。
この世に無駄な生命、捨石の生命などというものはない。
森羅万象あらゆるものが、命の夢を見てるのかもしれない。
そして、その全てさえもが生まれる前の星が見る、
一つの夢にすぎないのかもしれない…
だが…ああ、やがて全ての夢は還ってゆくだろう…
ズルワーン…夢の果てに…

バース…!
行くな、バース…!
いいんだ。もういいんだよ。
別れた時は今、一つになる。
別れの時がきた…おまえはこの旅の記憶を失い、
自分の時間に帰るんだ。
今度こそ、自分の生を生きろ。
たしかにオレたちは世界の謎を解く事も、
全ての哀しみを癒す事もできはしないだろう、でも…
それでも…おまえに会えて、オレはうれしかった。
生まれてきてくれてありがとう、バース…
これでさよならだな…
でも…いつか、きっと…
おまえがいつの時代、どんな世界で生きていようと、
会いにゆくから…
きっと…きっと会いにゆくから…
     〜Fin〜